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8桁対応 7セグテストボード

2011年6月
7セグを使った工作をよくやります。大抵は2桁か4桁使います。
その度に思うのですが、とにかく7セグの配線は面倒くさい!
ということで製作補助具を作りました。これで作業効率アップは間違いなし。


多い桁に対応する
これまで7セグ2桁、4桁を使った工作の動作確認には、以前作った「ATtiny2313 7セグ4桁ボード」を使っていました。マイコンを引っこ抜いてジャンパー線で乗っ取り配線します。ですがそれも4桁まで。最近、6桁の動作確認が必要になったので、多い桁に対応した7セグテストボードを作ることにしました。

近頃は4桁組み7セグの入手性が良くなって来ています。これを2個使って8桁対応にします。
4桁組みだけでなく普通の1桁の7セグも動作確認できると便利なので、基板に収まる範囲で配線を追加します。
部品数を少なくし、簡単に配線できるよう、トランジスタアレイを使います。デジトラを8個用意するより簡単です。
何種類もの7セグ(VFの違い)に対応できるよう、電流制限抵抗を差し替え式にします。

配線図と完成写真
配線図
例として図中の部品はカソードコモンの4桁組み7セグと、8回路入りのトランジスタアレイTD62083APGとしています。
アノードコモンの7セグや7回路入りのトランジスタアレイも、部品の差し替えだけで使えます。

完成写真
部品面
ICソケットを割って7セグのソケットにしています。ケーブルはリボンケーブルを直接ハンダ付けしています。ケーブルの代わりにピンソケットを付け、ジャンパー線でブレッドボードなどとつなぐ使い方もあります。
電流制限抵抗とトランジスタアレイはそれぞれ別の物に交換できるよう、ICソケットに差し込んでいます。
ハンダ面
UEW(ウレタン皮膜銅線)でないと配線作業は大変だと思います。
マイコンとの接続例
ブレッドボード上でATtiny2313と8桁フルに接続しています。もちろん、利用目的に合わせて3桁や6桁しか使わなくても構いません。どの位置の桁を使うかも自由です(両端を除いた真ん中6桁を使うなど)。

配線図 完成写真






7セグのピン配列
4桁組み7セグのピン配列はOptoSupplyLimited社の製品を参考にしましたが、他社製品でも基本的に同じピン配列です。1桁の7セグも、外形12x19mmサイズ(上下に5ピンずつ)の製品はメーカーによらず基本的に同じピン配列です。

トランジスタアレイの回路数
8回路の場合

7回路の場合

トランジスタアレイは複数のトランジスタ回路を内蔵しています。今回製作したテストボードでは8回路のICを利用することを想定していますが、7回路のICも使えます。ICの後方をソケットに合わせて挿します。


トランジスタアレイについて
トランジスタアレイはトランジスタ回路を並列に寄せ集めてパッケージに入れたICです。
[トランジスタ]+[ベース電流の制限抵抗]+[ベース-エミッタ間の抵抗]を、7セグの桁数分 個別に用意するより遥かにコンパクトで、配線の手間も省けます。
モーターやリレーなど誘導性負荷(コイル関係の部品)を接続する場合に必要となるクランプダイオードも組み込まれています。※LEDやランプを接続する場合、このダイオードは使用しない。

反転型と非反転型
反転型


ICの入力側はトランジスタのベース、出力側はコレクタにあたります。
内部のトランジスタ回路の個数分のエミッタが一まとめになっています。このトランジスタ回路はNPN型に相当するので、エミッタはGNDへ接続して使うことになります。
エミッタ(GND)の向かいのピンにはダイオードのカソードが一まとめになって出てきています。コレクタにモーターなどコイル関係の部品を接続する場合、このピンをVCCへ接続します。コレクタにLEDを接続する場合、このピンは未接続にしておきます。

反転型のトランジスタアレイは出力ピン(コレクタ)に電流を引き込む動作をするので、シンクドライバと呼ばれます。

カソードコモンの7セグを点灯させるには反転型のトランジスタアレイを使います。
※セグメントの制御はマイコンのI/Oピン直接で、コモン電流の制御にトランジスタアレイを使う場合。

具体的な部品の例…TD62083AFG(8回路),TD62003AFG(7回路)
非反転型


ICの入力側はトランジスタのベース、出力側はコレクタにあたります。
内部のトランジスタ回路の個数分のエミッタが一まとめになっています。このトランジスタ回路はPNP型に相当するので、エミッタはVCCへ接続して使うことになります。
エミッタ(VCC)の向かいのピンにはダイオードのアノードが一まとめになって出てきています。ダイオードを使う/使わないに関わらず、このピンは常にGNDへ接続します。未接続にする使い方はありません。

非反転型のトランジスタアレイは出力ピン(コレクタ)から電流を吐き出す動作をするので、ソースドライバと呼ばれます。

アノードコモンの7セグを点灯させるには非反転型のトランジスタアレイを使います。
※セグメントの制御はマイコンのI/Oピン直接で、コモン電流の制御にトランジスタアレイを使う場合。
※セグメントの制御をトランジスタアレイでやるなら、そこは反転型を使うことになる(下図参照)。


具体的な部品の例…TD62783AFG(8回路)

単体のPNP型トランジスタ(2SA1015など)はベースにLoを入力するとエミッタから電流を引き込みます。非反転型トランジスタアレイ内部のトランジスタ回路はPNP型に相当しますが、ベースにあたる端子にはHiを入力します。マイコンで7セグを制御する際、I/Oピンの出力レベルを間違えないよう注意が必要です(下図参照)。

7セグの接続例
カソードコモンの7セグをシンクドライバで制御する アノードコモンの7セグをソースドライバで制御する


アノードコモンの7セグをソースドライバとシンクドライバで制御する

マイコンのI/OピンはどれもHiを出力して7セグを制御します。
そのためマイコンから見るとカソードコモンの7セグを制御しているのと変わりません。

点灯テスト

テストボードには4桁組みの7セグ、1桁の7セグを組み合わせてセットできます。

異なる色の7セグ(VFの違い)を混在させる場合、電流制限抵抗の取り付けに工夫が必要です。テストボード上の抵抗はセグメントA-G,DPにつながっているので、ここは全て同じ値にしておきます。
桁ごとに電流制限抵抗を変えるには、コモンの配線上−−トランジスタアレイのケーブルからマイコンのI/Oピンまでの間に抵抗を(直列に)追加します。その桁は7セグの明るさが暗くなります。



4桁組みを2個セット 4桁組みと1桁をセット
左側1桁+右側4桁組みでも可
1桁を2個セット

テストプログラム ダウンロード SSeg8Test_v100.zip
zipファイルの中身… SSeg8Test.c / SSeg8Test.hex


動作内容
セグメントA-G,DPを1個ずつ、左から8桁順番に表示します。
スタティックドライブです。

左から8桁順番に「8.」を表示します。スタティックドライブです。

12345678」を表示します。ダイナミックドライブです。

2011.12.31」を表示します。ダイナミックドライブです。

最初に戻ります。※動画は30秒で突然終了します。


部品について
本テストボードの製作に必要なものは、7セグ、トランジスタアレイ、電流制限用の抵抗、ICソケット、です。
トランジスタアレイはシンクドライバ(NPN型)の方が入手しやすいです。それに合わせ7セグはカソードコモンにします。
7セグの色はお好みで。桁数は8桁あった方が何かと便利です。従ってトランジスタアレイも8回路入りのものにします。

【参考】赤色、朱色、橙色の色味を比べてみました。
赤色と朱色は見比べると違いが分かりますが、朱色を単品で見たら赤色と区別できませんでした。橙色には見えません。
橙色は明るい橙色です。赤色、朱色とは確実に違うので区別できます。
なお、色の見え方は電圧や周囲の明るさによって印象が変わります。

ちなみに上記写真で、4桁組みのが赤色、1桁で「4」と光っているのが朱色です。写真でも実物でも違いがイマイチ分かりません。
↑図示した色は目安です。デジカメでは見た目通りの色で撮影できないので、絵で説明しています。


◆ ◆ ◆
気楽にサッと7セグを使うことができるようになりました。
大助かりです。


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