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雑談:Shuttle K45 マザーボードのコンデンサを交換した

2010年8〜9月 ※2013/02 ページデザインを更新
Shuttle K45、3年目の夏。マザーボードが逝った。8月16日、お盆のことである。

このサイトではK45を使って↓↓↓↓↓こんなことをやっていて、
 「Shuttle K45 改造 レベルメータ+デジタル時計
 「PC 3ピン ファンコントローラ
 「PCオーディオレベルメーターの製作(完成編)
 「Shuttle K45 改造 自作デジタル時計
 「雑談:海外通販でパーツを購入してPCをいじった
愛着が湧いているので修理して使い続けたい。
AtomのMini-ITXに交換する手もあるが、それは直せなかったらということで。


症状
自分のK45は基本的に24時間365日つけっぱなしで、主に音楽や動画を再生している。
CPU: E1200(Celeron DC) 1.6GHz/メモリ: 2GB/HDD: 320GB/8GBのCFでナンチャッテSSD

朝、気付くと電源が落ちていた。電源を入れると数秒後に勝手に切れる。
その間に映像信号は何か出ている様子だが画面には何も映らない。異臭、異音はない。
ケースやCPUのファン、HDDは回る。電源ユニットに問題はないと思う。

コンデンサが原因だと予想して、ここまで来てやっとPCのケースを開ける。
実はコンデンサが破損してPCが起動しなくなる経験は初めてなので、ちょっと期待する。
案の定、ポコンと。ポコン、ポコン、…何個膨張してんの!

一応、電源ユニットのケースも開けて中を確認。特に問題はなさそうだった。

破損した電解コンデンサはどれも「Oxxx AAA」(オー+数字3桁+英字3桁)という型番で、容量1000uF以上。そのほとんどがダメになった模様。因みに日本メーカーの品ではない。

観察

写真A


写真B


K45発売後すぐに購入したので、マザーボードのバージョンは最初期のもの。バージョンが違うと使用部品の配置や名前が異なることがあるので、あなたのマザーボードと比較するときは注意。

ではコンデンサを見ていこう。
「写真A」の上側から時計回りに下側まで説明する。

以下、説明写真内のコンデンサは、同じ型番のものは同じ色で名前を表示している。
破損しているもの(上部がポコンと膨れている)は赤い矢印「」で指し示している。

写真Aの上側。同じ位置を両面から撮影。
「SANYO WG」は見た目にダメージなし。
「O736 RLZ」はマザーボード上に8個あり、全滅。右写真の7個と銅製ヒートシンクの後ろに1個。
特に右写真で離れている1個は破裂して液漏れするほど激しく破損
「O805 RLP」はマザーボード上に4個あり、パッケージは緑色。しかし写真内の1個だけは濃い緑色。破損したのはこの1個だけで、他3個は見た目にダメージなし。
「O805 RLX」は見た目にダメージなし。

写真Aの右上部分。
撮影方向的には写真Bの左下部分を右向き加減で。


右3個は上記説明写真に出ているコンデンサ。
右の「O805 RLP」が濃い緑色のもので、左が普通の緑色のもの。見た目にダメージなし。


同じく写真Aの右上部分。
撮影方向は90度回転して、内側から外側へ。


左3個は上記説明写真に出ているコンデンサ。


写真Aの右側。撮影方向は外側から内側へ。

上2個の「O805 RLX」は見た目にダメージなし。
下2個の茶色いコンデンサはルビコン製、470uF/6.3V。見た目にダメージなし。


写真Aの右下部分。撮影方向は内側から外側へ。

「O736 RLZ」8個のうちの1個。破損

右側のアルミ製ヒートシンクは自分で取り付けたもの。購入時のK45には付いていない。


写真Aの下側。撮影方向は内側から外側へ。

「O805 RLP」2個、普通の緑色のもの。見た目にダメージなし。
「O805 RLX」1個、見た目にダメージなし。
左の黒いコンデンサは「O804 RLG」、470uF/10V。
これはマザーボード上でこの1個しか見あたらない。見た目にダメージなし。
左下2個の茶色いコンデンサはルビコン製、470uF/6.3V。見た目にダメージなし。

交換部品
交換する電解コンデンサは、マザーボード用、PC用、などと説明されているものから選ぶ。
  • 容量は同じものを選ぶ。
  • 耐圧は高くなる分には構わないが、なるべく同じものを選ぶ。
  • 大きさ選びは太さが問題。
1800uF/6.3Vは径10mmならすぐに見つかるが、「O736 RLZ」は径8mm。写真で分かるように、3本+3本で並ぶ所は隙間がほとんどない。ここに径10mmを立てるのは無理っぽい。交互に斜めに立てるなど考えたくない。
もう少し探してみたら見つかりまして。SUNCON(SANYO) WGグレード。同じショップで他のコンデンサも揃うのでまとめて注文。助かりました、アスカ情報システム

交換前
容量/耐圧 型番 径x長 破損/総数 備考
1800uF/6.3V O736 RLZ 8x20mm 8/8個 交換する。
1000uF/10V O805 RLP 8x12mm 1/4個 4個全て交換する。
1500uF/10V O805 RLX 10x16mm 0/4個 4個全て交換する。
1800uF/16V SANYO WG 10x20mm 0/2個 交換しない。

交換後
容量/耐圧 型番 径x長 交換/総数 備考
1800uF/6.3V SUNCON WG 8x20mm 8/8個 容量、耐圧、大きさ、全て同じ。
1000uF/10V SUNCON WG 8x16mm 4/4個 長さが違うが、取り付けに問題なし。
1500uF/10V SUNCON WG 10x16mm 4/4個 容量、耐圧、大きさ、全て同じ。
1800uF/16V SANYO WG 10x20mm 0/2個 交換しない。
SUNCON品はSANYO品と同じもので、ブランド名の印刷が違うだけ(事業移管)。

交換用の電解コンデンサ SUNCON WG

予備も含めて購入。左から、
1800uF/6.3V 10個
1000uF/10V 5個
1500uF/10V 5個

外装は緑色で文字印刷は金色。
もともとマザーボード上にあるSANYO WGとそっくり。

交換作業
交換する電解コンデンサを取り外す。
ハンダが少ないので追加で盛って、ハンダ吸い取り器でシュコン!と綺麗に…取れない。全然。
結局片足ずつ溶かしてグイグイ傾けて抜き取った。全部このやり方。

残ったハンダを掃除して穴を確保。
フラックスとハンダ吸い取り線を使えば綺麗にできるだろうと思ったら、これまたできない。
気が立ってきたので1.0mmのピンバイスで裏からほじくる。スルーホールが傷つくかもしれないが。

交換するコンデンサを全て取り去った状態。
上の赤丸は「O805 RLP」で1個だけ破損した濃い緑色のやつの跡地。底面から液漏れしていたようだ。右下の赤丸は破裂した「O736 RLZ」の跡地。こちらも汚れていた。

新しい電解コンデンサを取り付ける。極性に注意!
電解コンデンサの取り付け場所は、マイナス極性の方がシルク印刷で半円塗りつぶされている。これを目印にする。

そして交換作業が完了した状態がこちら。
先述の黒いコンデンサ「O804 RLG」(コイン電池の横)は、実は交換用のコンデンサを手配した後で存在に気付いた。「O」型番を全て排除したかったのにミスった。

2010/12 追記

目的の黒いコンデンサ O804 RLG

その黒いコンデンサ「O804 RLG」を交換しようと、ルビコン MCZ 470uF/16V(8x11.5mm 超低ESR マザーボード用)を用意しました。O804 RLGは径6mmくらいです。
それで改めて基板のパターンを確認したのですが、このコンデンサはUSBの電源安定化のために付いているようです(PCIスロットの脇にUSB 4個分のヘッダーピンがある)。コンデンサが破損してもPCに深刻なダメージは与えないと思います。結局、交換作業が面倒くさいので放置することにしました。
なお、バックパネルの各種インターフェイス付近にも何個か「O」型番の小さいコンデンサがありますが、これらも気にしないことにしました。ちなみに「O」型番のコンデンサは台湾OST製のものです。

交換完了/動作確認
仮組みして電源投入。無事に起動した。
修理前はこの画面も何も出なかったわけで。

下の方でエラーメッセージが表示されているのは、CPUやらコイン電池やら一旦外した後の起動であるため。

改めて、CPUクーラーにシリコングリスを塗って装着。周辺機器も接続。本番稼働開始。修理は成功。K45S(シルバーモデル)、また数年は使っていける。


◆ ◆ ◆
K45発売当時の思い出話。
「ShuttleのK45が発売されたんですけど、ありますか?」
「あれは、(取り扱いを検討する部署の)担当者によると品質があまり良くないようで。
 コンデンサだとか。それでウチでは取り扱いなしになりました。」
と教えてくれたPCショップがありました。


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