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Shuttle K45 改造
レベルメータ+デジタル時計

2008年8月
ShuttleのK45Sを改造して、レベルメータとデジタル時計を付けました。
とりあえず動くものを! と作ったので部品数が多く配線も整理されてませんが、
目的のものは作れました。プロトタイプといったところ。
レベルメータの回路は自作です。
時計回路は秋月のキットを流用しました。これはAVRで自作して置き換えたいです。

【参考】
http://www.shuttle-japan.jp/
http://www.shuttle-japan.jp/Product/KPC/ShuttleKPC.htm
http://www.shuttle-japan.jp/Product/k45/K45.htm

【注意】
・改造は自己責任で行ってください。
・この改造であなた及びあなたのPCにいかなる不都合が起ころうとも、
 当サイト管理人は一切の責任を負いません。

2009/08 追記:
【関連記事】
PCオーディオレベルメーターの製作(完成編)
このページで紹介しているレベルメータの改良版の製作記事です。
詳細な解説、回路図、部品一覧など公開しています。是非ご覧ください。
(予告編)のページには簡単な動画紹介もあるので、そちらも参考にどうぞ。
また、Intel HD Audioのドングル製作についても解説しています。
K45にフロントオーディオパネルを付ける改造の参考になると思います。

2009/10 追記:
Shuttle K45 改造 自作デジタル時計
このページで使用しているキット物のデジタル時計を、AVRで自作した物に
置き換えました。7セグを使ったデジタル時計製作の詳細な解説、回路図、
部品一覧など公開しています。是非ご覧ください。
ただの置き換えとは違う、自作ならではの面白さが見えるかも知れません。

2009/10 追記:
ディスプレイドライバ LM3914/LM3915/LM3916について
LM3914/LM3915/LM3916の使い方について説明した記事です。
レベルメーター製作の参考になると思うのでぜひ見てみてください。
おまけで20連オーディオレベルメーターの製作例も紹介しています。

2010/09 追記:
雑談:Shuttle K45 マザーボードのコンデンサを交換した
K45内部でコンデンサが膨張、破裂してマザーボードが壊れました。
新品のコンデンサに取り替えて無事復活。修理方法を解説しています。

製作物の様子 (写真クリックで拡大)


←クリックで動画再生

MPEG 3MB
320x240 20秒
無音

キャプチャ時の転送レートの関係でぎこちない動きに見えるが、実際は俊敏に滑らかに動いている。

スリムドライブ用のベイは高さ15mm.

高さ15mmに収まる7セグを探す。
青は500円以上して高価で買えない。
赤は格安だが嫌いな色なので使わない。
他の色は緑、黄、オレンジ。

普通のLEDなら白と紫もあるが、7セグLEDには無さそう。

レベルメータ基板と時計基板は自作トレーに固定。
フロントから出し入れできるように作った。

表示部はレベルメータと7セグを別の色に交換できるよう、専用ソケットを自作して取り外し自由にしてある。

7セグのソケット製作は苦労した。
ソケットの高さが15mmギリギリになるので、配線材を取り回せる隙間がほとんど無い。スルーホール基板を使えば多少楽になるかもしれない。

制御部をトレーの厚みも込みで15mmに収めるため、スペーサの高さが問題になった。後述。

トレーと表示部。
トレーは1mm厚のプラ板と5mm角のプラ棒で製作。

表示部は両端をトレーに固定。
トレーは左側2カ所でPC本体に固定。本来のスリムドライブ固定用のねじ穴を使う。
右手前のパーツのねじ穴は少し大きめに開け、工作の誤差を吸収する。

基板の固定に高さ3mmのスペーサが欲しかったが、そんな短いものは無いのでプラ棒で自作。ナットが不要になり、返ってこの方がよかった。


【レベルメータの音声信号】 左端:オレンジ/白/灰の線
レベルメータ用の音声信号をどこから取るか。
PC背面の音声出力端子から二股コネクタで分岐して、適当な穴を通してケース内へケーブルを引き込む……のでは見栄えが悪いので、フロントパネル用のHD Audio端子から取ることにした。

せっかく付いてるHD Audio端子を使ってみたかった。
Intelのフロントパネル仕様書を参考にドングルを自作、接続。オーディオ設定画面に、普段は表示されないフロントパネル欄が表示される。
スピーカ/ヘッドホンのケーブルは通常通りPC背面の音声出力端子へつなぐ。

ところで、一見するとK45の前面にフロントパネルは無いが、実はケースの黒いパネルを外すと取り付け枠がある。
ヘッドホン端子やUSB端子が付いた、よくあるフロントパネルを自作して取り付けることができる。

【時計の電源】 右端:赤/青の線
この時計は5Vで動作するので、レベルメータ同様にHDD用電源ケーブルから取ってもよいのだが、PCをスタンバイやシャットダウンすると電流が途絶え、時計がリセットされてしまう(この時計にバックアップ機能はない)。
USB端子の5Vは、スタンバイやシャットダウン状態でも5VSBラインから電気が供給されているので、これを使えば時計はリセットされない。
PCの電源コードを抜かない限り時計は動いている。これは便利。

【改良】
今回の完成品は十分満足に動作している。これはこれでよいのだが、もう少し整理した回路を考えている。

上は、HD Audioドングルを作り直したもの。
下は、回路を整理したもの。
例えばレベルメータは、固定抵抗+半固定抵抗で輝度を調整できるようにしたが、一度明るさを決めてしまえば変更することはないので、合計値の固定抵抗1つに置き換える。


使用した部品

【HD Audioドングル】
K45のオーディオはAC'97ではなくIntel HD Audioである。BIOSでの切り替えはない。
Intel HD Audioではヘッドホンやマイクのプラグ挿入を探知するために、スイッチ付きのジャックを使っている。
このスイッチは音声信号とは無関係の独立した端子で、プラグを挿したらon、抜いたらoffになる。
仕様書は「Intel Front Panel I/O Connectivity Design Guide」で検索(Intelサイトにはないので)。
2008/12/25追記:
Intelサイトにpdfへのリンクがあります。下記URLのページの最後付近です。
「デスクトップ・ボード - オーディオのトラブルシューティング」
http://www.intel.com/jp/support/motherboards/desktop/sb/CS-020642.htm

パーツ屋でよく売られている「スイッチ付きステレオジャック」は、「通常はスピーカから音が出ていて、ヘッドホンを挿したらスピーカ出力が切れてヘッドホンから音が出る」、という用途に使うジャックである。
音声信号が流れる端子自身がスイッチになっていて出力先を切り替えるものなので、HD Audioのドングルには使えない。

プラグを挿したらon、抜いたらoff、となるスイッチ付きのジャックは入手しづらいため、一般的なステレオジャックに単体のスイッチを組み合わせて作るとよい。1回路スライドスイッチを使う。
今回の製作物ではジャックを使わず直接L,R,GNDを取り出しているので、必然的にスイッチと組み合わせることになった。

【レベルメータ】
・LM358
OPアンプ。音声を聴くことが目的ではないので、汎用の安い部品を使った。
レベルメータを滑らかに動かすため、出力に10uFの電解コンデンサを付けている。

・10バーレベルメータ
秋月電子で購入。「10バーLEDアレイ 3色(緑5黄3赤2)タイプ」。L/Rで2個必要。
説明では色の並びが緑緑緑緑緑黄黄黄赤赤だが、実際の発光色は黄緑が5個橙橙橙赤赤だった。
小ささが魅力で、2段重ねに配置すれば3.5インチベイにも時計と共に収まる。
この部品を使わず、普通のLEDを好きな色で10個並べても構わない。

・LM3915
レベルメータのドライバ。3dBステップのログスケール。L/Rで2個必要。
このシリーズは他にリニアスケールのLM3914、VUメータ用のLM3916があるが、使用目的と価格でLM3915にした。
イーエレで購入、1個320円。他店では450円など。今回の製作物で一番高価な部品。

【デジタル時計】
・時計キット
AVRマイコンを使って時計を自作することに興味があるのだが、技術の習得は後回しにして今回はキットを流用することにした。秋月電子で「PIC16F57マイコンデジタル時計キット Ver.3(卓上型)」を購入。制御部の基板が小さいことが決め手。

・7セグLED
数字のLED。「8」が7本の棒線(セグメント)で作られているので7セグメントLEDと呼ばれる。
小さいもので比較的入手しやすいのは高さ19mmのものだが、今回の製作物では高さ15mm以下でなければならない。このサイズは入手しにくいが、無いわけではない。鈴商で購入。オレンジ色、1個100円。

部品を選ぶとき、アノードコモンとカソードコモンを間違えないよう注意(時計の回路に合わせる)。
また、大抵の7セグは数字の右下にDP(Decimal Point、小数点)が付いている。
上記時計キットは秒の表現としてコロン「:」が点滅するので、その配線をDPにつなぐとよい。

余談だが、各種計測器への利用を意識して4桁がくっついた7セグがある。コロンや小数点も付いている。
ところが残念なことに、一番左の桁が「8」ではなく「1」なので、24時間制で表示する時計には使えない。
一応「1」の左側上下にDPがあるので、12時間制で午前/午後の区別は付けられる。


ピンアサイン

秋月電子「PIC16F57マイコンデジタル時計キット Ver.3(卓上型)」
【7セグ BU4901-AR2】
このキットに使われている7セグは「BU4901-AR2」。アノードコモン。
7セグの棒線をabcdefg、小数点をDP、アノードをA、として図に示す。
アノードは部品の上下にある。ピン3,7,10,13は無い。実際、足が付いていない。
 g   f A   a b
14  1211   9 8
 |   | |   | |
+-------------+
|   + a +     |
|   f   b     |
|   + g +     |
|   e   c     |
|   + d + DP  |
+-------------+
 | |   | | |
 1 2   4 5 6
 e d   A c DP
【制御部と表示部をつなぐコネクタ】
時、分を表す4つの7セグの部品番号は左から順に LED3,LED4,LED5,LED6 だが、コネクタ上では変則的に並んでいるので注意。
表示方式はダイナミックドライブなので、a〜gはそれぞれ7セグ共通、アノードのみ個別。

1 7セグLED5のpin4 (Anode)
2 7セグLED4のpin4 (Anode)
4 7セグLED3のpin4 (Anode)
5 7セグLED6のpin4 (Anode)
12 7セグLED3〜6共通 pin5 (c)
13 7セグLED3〜6共通 pin1 (e)
14 7セグLED3〜6共通 pin2 (d)
15 7セグLED3〜6共通 pin14 (g)
16 7セグLED3〜6共通 pin12 (f)
17 7セグLED3〜6共通 pin9 (a)
18 7セグLED3〜6共通 pin8 (b)
19 GND
20 LED1,LED2 (コロン「:」の上下)


7セグLED「HDSP-F401」
オレンジ色の7セグ「HDSP-F401」。アノードコモン。外形の高さ12.9mm、幅9.79mm。
表側から見た図                      裏側から見た図
          +---------+                         +---------+
ANODE :1--| + a +   |-10: a             a :10-|   + a + |--1: ANODE
    f :2--| f   b   |--9: b             b :9--|   b   f |--2: f
    g :3--| + g +   |--8: c             c :8--|   + g + |--3: g
    e :4--| e   c   |--7: DP           DP :7--|   c   e |--4: e
    d :5--| + d + DP|--6: ANODE     ANODE :6--|DP + d + |--5: d
          +---------+                         +---------+

Electrical/Optical Characteristics at TA = 25°C, continued
DeviceSeries - HDSPF40x
Color - Orange
------------------------------+--------------------------------------------------
Parameter                     |  Symbol  Min.  Typ.  Max.  Units  Test Conditions
Forward Voltage/Segment or DP |  VF      -     2.0   2.5   V      IF = 20 mA
------------------------------+--------------------------------------------------


おまけ

【7セグをオレンジ色にした理由】
うちにはこんな時計がありまして。ニキシー管時計。
このイメージで。

TubeHobbyからNixieClockキットを購入。
完成時の大きさは W15 x H9 x D5 (cm)

【脇役】
両側の小さい基板は自作のファンコントローラ。
左:縦型、右:平型。

およそ、6.5〜9Vの範囲で電圧可変。
この3端子レギュレータの最大電流は1.5A、つなげたIntelのリテールファンは定格0.6A、交換した電源ファンは定格0.06A。
どちらの3端子レギュレータも熱くならないが、一応PCの筐体を放熱板の代わりにしている。



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