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ねんどろいど ドロッセル 「侵入者か!?」

2010年6月
ねんどろいど ドロッセル。目、光らせてますか?

ねんどろいど ドロッセル+フォトトランジスタ工作の第3弾。
AVR(マイコン)を使ってLCDモジュール(液晶画面)にセリフを表示します。
AVRは1個で、センサとLED(ドロッセルの目)も制御しています。
電池不要、壁のコンセントに挿してますよ!

【キーワード】
ねんどろいど、グッドスマイルカンパニー、ドロッセル、ファイアボール、侵入者か、
USB-ACアダプタ、AVR, ATtiny2313, アナログコンパレータ、
フォトトランジスタ、照度センサ、NJL7502L, TPS615,
LCDモジュール、キャラクタ液晶ディスプレイ、SD1602, SUNLIKE

【関連リンク】
ねんどろいど ドロッセル …グッドスマイルカンパニー製品紹介ページ
ファイアボール …ディズニーチャンネル番組公式サイト

第1弾 ねんどろいど ドロッセル 自動的に「便利ね」
第2弾 ねんどろいど ドロッセル 自動的に「便利ね」mk2

ねんどろいど ドロッセル 「侵入者か!?」 デモ

ドロッセル 「侵入者か!?」 デモ
(動画)ドロッセル 「侵入者か!?」 デモ

ファイアボール 第11話 「侵入者たち」(YouTube)の0'34"〜0'44"の様子を表現しています。
動画の流れ:
待機状態→センサを暗くする→LED(目)点灯、LCDにセリフを表示→
消灯(待機状態)

本システムの背面に付けたUSB-ACアダプタから電源を取っています。



電子工作部分の説明

本システムは電子工作半分、模型工作半分といったところです。

回路図と部品配置図


センサとLED(ドロッセルの目)の制御は「ねんどろいど ドロッセル 自動的に「便利ね」mk2」と同じ。
AVRをATtiny13A(8ピン)からATtiny2313(20ピン)に変更し、増えたピンでLCDを制御しています。

LEDの電流制限抵抗の値について。
新品の電池(LR41が2個)3Vで、LEDには約4mA流れていました(2個並列の合計)。
5Vで動作させる場合、LEDのVFを3Vと考えると、(5V - 3V) / 4mA = 500Ω
ということで470Ωにしました。回路図のR2

USBコネクタは単純に電力供給のために使っていて、USBの信号線(D+, D-)は関係ありません。
もちろんUSB-ACアダプタにUSBの信号は流れていません。

もとから頭部にあるスイッチと電池は、本システムと回路的につながっていないので、無いのと同じです。電池を入れても抜いても、スイッチがONでもOFFでも、本システムの動作に関係ありません。

頭部の改造は第1弾から一貫して同じ、何もいじっていません。そのまま使います。
詳しくは「ねんどろいど ドロッセル 自動的に「便利ね」」を見てください。


AVRのプログラム
プログラムはこちら→ダウンロード PhTrSpy_v100.zip
AVRに書き込むhexファイル。
ヒューズビットの設定は同梱したソースファイルの先頭に記述してあります。
ドロッセルのセリフもソースに直接記述してあります。

劇中のドロッセルのセリフ:
「侵入者か。」
「スパイだわ。スパイの笑い声に違いないわ。」
「秘密諜報員。ちょう・ほう・いん。」
このセリフを、本システムでは16文字×2行のLCD画面で収まりが良くなるよう、次のように変更しています。日本語はいわゆる半角カナ文字しか表示できません。
「シンニュウシャカ!?」
「スハ゜イニチカ゛イナイワ」
「ヒミツチョウホウイン」
「チョウ ホウ イン・・・」

模型工作部分の説明

ドロッセルを乗せる床板、USB-ACアダプタを付ける壁板、LCD(液晶画面)を支えるアーム、セリフの吹き出しなどを、1mm厚のプラ板と5mm角のプラ棒で作りました。設計図はなく、現物合わせです。
既存のケースや台座を加工したり、di:stageを利用してもよいでしょう。

ボディは、コンセントに挿す「壁付けタイプ」と、棚に置ける「床置きタイプ」の形で使えるようにします。そのため、回路基板を底面、背面、どちらでも取り付けられるように設計します。

壁付けタイプのときUSB-ACアダプタは両面テープで固定しますが、取り外しを考えると別の方法がよいかもしれません。壁板の側面からネジで締め付けて固定するなど。
USB-ACアダプタに穴を開けて直接ネジ止めしてはいけません!(ショートの危険性)

ボディの幅はUSB-ACアダプタの大きさに合わせて決めます。今回の例では、USB-ACアダプタの幅が52mmだったので、ボディの幅は65mmです。 52mm + プラ棒両側(5mm x 2) = 62mm < 65mm

床板の奥行きは、なるべく短く、かつ、ドロッセルを置いたとき壁板にぶつからないように決めます。今回の例では80mm. ベリンダ装着時のドロッセルでギリギリの奥行きです。

5mm角のプラ棒に対し、ネジは径2.6mm長さ4〜5mmのなべネジを使います。
LCDを支えるアームでプラ棒を貫通する所があるので、そこは長さ10mmのネジを使います。
下記項目「分解した様子」の写真の1番。左側のネジがそれです。分かりますかね?

プラ棒に穴を開け、ネジをグリグリねじ込みながら直接ネジ山を切ります。
ネジ止めする穴は径2.2〜2.3mm、ネジが貫通する穴は径2.6mmで開けます。
ネジ止めする穴でも入口を径2.6mmで抉っておくと、ネジ止め作業がしやすくなります。

床板の前面中央、径3mmのセンサを通す穴もドリル(ピンバイス)で開けます。
「ここだとセンサが目立ってヤダ」という人は、どこでも好きな位置にセンサを付けてください。

LCDのバックライトの光が側面から漏れ、横にあるドロッセルに反射したり、セリフの吹き出しからLCDの形が透けたりして奇妙に見えます。LCDの側面をガードして光の漏れを防ぐと、動作時の見栄えがよくなります。

分解した様子


1:
セリフの吹き出し()とLCDモジュール()を壁板()に固定するアーム。
2:
セリフの吹き出し(裏側)。LCDのバックライトの光漏れをガードするカバーを付けてある。
3:
LCDモジュール(液晶画面)。秋月電子で購入したSD1602、バックライト・グリーン。
裏側に向けてピンヘッダをハンダ付けしてある。
4:
壁板(裏側)。床板()とはネジで固定する(下辺の両穴)。
床板とねんどろいどの荷重に耐えるよう、プラ板で補強してある。ネジ止めにはワッシャを使う。
一段上の両穴は、本システムを床置きタイプにするときに回路基板(11)を止めるネジ穴。
その際、四角い切り欠きにセンサのコード(12,13)を通す。
5:
床板(裏側)。ねんどろいどの支柱(10)を挿す穴はプラ板を重ね貼りして厚みを出しておく。
両側の穴は、本システムを壁付けタイプにするときに回路基板(11)を止めるネジ穴。
センサのコード(12,13)は背面側(写真では上辺)の四角い穴を通す。
正面側(同・下辺)にはセンサを差し込む径3mmの穴が空いている(写真では見えない)。
6:
床板()のふた。はめ込み式。本システムを床置きタイプにするときに使用する。
7:
USB-ACアダプタ。USBコネクタは1口あればよい。通常は5V/500mA。1AタイプでもOK.
8:
回路基板(11)の電源ケーブル。
9:
ドロッセルの頭部(LEDの目)と回路基板(11,13)をつなぐケーブル。床板()の穴に通す。
10:
ねんどろいどの支柱(ねんどろいど ドロッセルの付属品)。床板()の穴に挿す。
11:
回路基板。センサ、LED、LCDを接続するケーブルが伸びる。
12:
センサ(フォトトランジスタ)を挿すコネクタ。写真ではNJL7502Lが挿してある。
13:
LED点灯ケーブル()をつなぐコネクタ。
14:
LCDモジュール()をつなぐコネクタ。ピンソケットとリボンケーブルをハンダ付けしたもの。

完成品の様子

本システムはコンセントに挿す「壁付けタイプ」と、棚に置ける「床置きタイプ」の形で楽しむことが出来ます。

壁付けタイプ

左:背面を横から。 中左:底面と背面を下から。 中右:底面。 右:台に乗せて上から。

回路基板を底面にネジ止めします。底面のふたは不要。USB-ACアダプタを背面に付けます。
写真では短いリボンケーブルにしてありますが、背景台紙を付けるときは延長ケーブルを足します。最初から長いケーブルだと、床置きタイプにしたとき余分が多くて邪魔になります。

USB-ACアダプタは両面テープで貼り付けてあります。縦2カ所、MAXON両面テープ12mm幅。
プラスチックの平面に対して粘着力がかなり強いので、使用中に剥がれ落ちる心配は無用です。
手で引っ張ったくらいでは剥がれない。剥がすにはヘラを差し込んでこじ開ける。

床置きタイプ

左:背面。底面のふた。 中左:底面とふた。 中右:底面にふたを装着。 右:床に置いて。

回路基板を背面にネジ止めします。底面のふたをはめます。USB-ACアダプタは不要。


左:背景台紙を付けて正面から。 中:背面。 右:PCのUSBコネクタから給電。

動作内容と操作方法

本システムに電源スイッチは無く、USBコネクタの抜き差しで電源ON/OFFです。
明るい状況で待機状態。センサを暗くするとLEDが点灯し、LCDにセリフを表示し、自動的に消灯します。暗くした後一旦明るくなれば待機状態に戻ります。

回路基板上の半固定抵抗(小さなボリューム)でセンサの感度を調整します。
左へ回すと鈍感になり、右へ回すと敏感になります。右へ回しすぎに注意。センサが利かなくなります。
詳しい説明と動作原理は「ねんどろいど ドロッセル 自動的に「便利ね」mk2」を見てください。

本システムには、センサと無関係にスイッチでLEDを点灯/消灯する動作モードもあります。
無改造の製品状態では電池が消費されますが、本システムではUSBコネクタからの給電でドロッセルの目を点灯させることが出来ます(電池を使わない)。また、押しボタンなので(タクトスイッチ)、首の後ろの小さなスライドスイッチよりも切り替えやすいです。

操作方法

Modeボタン、Valueボタンで操作します。
ボタンは1秒くらいゆっくり押してください。
待機状態
↓Modeボタン Valueボタンでコントラスト(文字の濃さ)調節。
↓Modeボタン Valueボタンでバックライトの明るさ調節。
↓Modeボタン ValueボタンでLED点灯動作を変更。
[センサ]…センサに反応してLEDが点灯する。
[スイッチ]…スイッチ(手動)でLEDを点灯させる。
↓Modeボタン 待機状態へ戻る。

動作モードが「スイッチ点灯」のとき、待機状態でValueボタンを押すごとにLED点灯/消灯が切り替わります。このときもボタンをゆっくり押す。
スイッチ点灯では常時セリフ表示なしです。

部品について

フォトトランジスタ
「自動的に便利ね」第1弾のNJL7502L(JRC)、第2弾のTPS615(TOSHIBA)、どちらでも使えます。
これらは径3mmで砲弾型LEDと同じ形をしています。
プラ棒に開けた3mmの穴に通すとき、根元のツバが邪魔になるので削り落とします。


抵抗
LEDの電流制限抵抗は必ず入れてください。入れないとLEDが焼けて壊れます。
新品電池のときと同じ明るさを狙って470Ωとしました。明るすぎるようなら1kΩまでを目安に値を大きくしてください。

半固定抵抗
単なる分圧抵抗として使います。数百kΩあると調節しやすいと思います。部品一覧には100kΩを挙げましたが、例えば500kΩでもよいです。

LCDモジュール(液晶画面)
小さくて軽いものを使います。SD1602の同型(表示色の違い)がオススメです。ちょっと高価ですが。

USBコネクタ
USB-ACアダプタに挿す側は「A オス」型コネクタです。100円ショップで売ってる携帯ゲーム機用充電ケーブルなどを切断して使うとよいです。

その他
ICソケット、ピンヘッダ、ピンソケット、コネクタ類(接続端子)、ケーブル(配線材)、基板。
プラ板、プラ棒、接着剤、ネジ、ワッシャ。


ねんどろいど ドロッセル 「侵入者か!?」 部品一覧 (回路図はここをクリック
部品名 部品番号 個数 参考価格/備考
AVR(マイコン) U ATtiny2313 1 100円(秋月電子
フォトトランジスタ Q TPS615 1 50円(千石電商
NJL7502L 1 2個100円(秋月電子)
抵抗 R1 100kΩ [黒茶黄金] 1 1個5円/100個100円
抵抗 R2 470Ω [黄紫茶金] 1 1個5円/100個100円
半固定抵抗 VR 100kΩ [104] 1 30円〜60円
積層セラミックコンデンサ C 0.1uF [104] 1 10個100円
タクトスイッチ SW1,SW2 -- 2 1個10円〜30円
LCDモジュール LCD SD1602HULB(-XA-G-R) 1 900円(秋月電子)
USBコネクタ CN A オス 1 100円ショップ


面白いものが出来ました。自分でも結構楽しんで使っています。


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