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EeePC901-16GにLubuntu14.04をインストールする

2014年5月
ネットブックにLinuxをインストールした。操作についてネットで検索すると、情報が古く(Lubuntu/Ubuntuのバージョンが古い)、14.04には当てはまらないこともあった。そこで、現時点での最新情報として今回の作業記録を残すことにした。
最初にUbuntuをインストールしたが、Unityがネットブックには重すぎてまともに操作できなかったので、軽いデスクトップ「LXDE」を組み合わせたLubuntuをインストールした。


対象となるPC
ASUS EeePC901-16G
CPU Atom N270 1.6GHz
メモリ 1GB → 2GBに換装
解像度 1024x600
SSD 16GB
OS WindowsXP/Home
拡張端子 SDカードスロットx1, USB2.0コネクタx3
※内蔵無線LANでネットに接続している。
※別途用意したWindows7/ProのPCで作業を支援する。


インストール
Lubuntu14.04/32bitのisoイメージをダウンロードしておく。Atom-N270に64bit版linuxはインストールできない。
UNetbootinを使い、USBメモリにLubuntuのisoイメージを保存する(ブータブルUSBメモリになる)。…(*1)
EeePCのBIOSでUSBメモリからの起動に設定し、インストール開始。インストール先はSDカード16GB/Class10。
SSDにプリインストールされているWindowsXPはそのまま。上書きしないよう注意!
(*1)…UNetbootinを使わず、素直にブータブルCDを焼いても構わない。

インストール中、ウィンドウが画面からはみ出し、[次へ]ボタンなどが見えないことがある。この場合、Altキー+左クリックしながらマウスをドラッグするとよい。ウィンドウをつかんで自由に移動させることができる。

Lubuntu起動
EeePCのBIOSでSDカードからの起動に設定し、Lubuntuを起動する。
EeePCは起動画面表示時からF2キー連打でBIOS画面に入る。このときF2キーではなくESCキーを連打すると、ブートデバイスを選択する画面が表示される。ここでSDカードか(Lubuntu)、HDDか(WindowsXP)選択することもできる。
※OSを切り替えるために、いちいちBIOS画面でブートデバイスを設定し直さなくてもよいということ。
※Lubuntuの起動メニューからWindowsXPを選ぶこともできる。常にSDカードからの起動にしておき、ここで起動OSを決めてもよい。


Lubuntuクライアント環境構築
作業するにあたり…
GUIでできることはGUIで。アプリのインストールはSynapticパッケージマネージャからの操作で。
コンソールから「sudo apt-get install xxxxx」などと打ち込まないことにする。
WindowsユーザーがWindowsユーザーらしくLinuxマシンを作ってみようというコンセプト。
※自分自身はMS-DOS世代なのでコンソール操作に抵抗はない。でもCUIよりGUIの方が分かりやすいし楽だ。

目次
  • 起動時のOS選択画面の待ち時間を変更する
  • IMEを入れ替える
  • IPアドレスを固定する
  • Windows7の共有フォルダへLubuntuからアクセスする
  • Windows7の共有フォルダをLubuntuの特定フォルダへマウントする
  • Lubuntuの共有フォルダへWindows7からアクセスする
  • リモートデスクトップ:LubuntuのRemmina(RDPビューア)からWindows7をリモート操作する
  • リモートデスクトップ:Windows7のUltraVNCビューアからLubuntuをリモート操作する
  • XRandRで仮想画面のサイズを定義する

■起動時のOS選択画面の待ち時間を変更する
起動時、デフォルトでは10秒カウントダウンしてLubuntuが起動する。この待ち時間を3秒に変更する。
1. 「/etc/default/grub」(拡張子なしの'grub'という名のファイル)をエディタで開く。root権限で操作すること。
2. GRUB_TIMEOUT=10 → GRUB_TIMEOUT=3 に書き換えて保存する。
3. >sudo update-grub を実行する。起動時に参照される設定ファイル本体'grub.conf'が変更される。

コンソールから「>sudo pcmanfm」を実行すると、root権限でファイルマネージャが起動する。
'grub'ファイルを右クリック、Leafpadで開いて編集・保存ができるので、1.と2.の作業が楽になる。

■IMEを入れ替える
デフォルトでインストールされているAnthyとiBusが使いにくいので、fcitx-mozcを入れる。使いやすい。
AnthyとiBusをアンインストールする。

■IPアドレスを固定する
IPアドレスを手動で割り当てる。下記説明では「nn」とする。
ルータ上のIPアドレス割り当て設定を済ませる。
EeePCの有線LANはBIOSでdisableにしてあるが、enableのままでも構わない。

>スタートメニュー - 設定 - ネットワーク接続 - WiFiのデバイスを選択 - 編集 - IPv4タブ
方式: 手動
アドレス / ネットマスク / ゲートウェイ: 192.168.0.nn / 255.255.255.0 / 192.168.0.1
DNSサーバー: 192.168.0.1
ドメインを検索: 192.168.0.1

>[ルート]ボタン
アドレス / ネットマスク / ゲートウェイ: 192.168.0.nn / 255.255.255.0 / 192.168.0.1
メトリックは空欄

■Windows7の共有フォルダへLubuntuからアクセスする
Windows7の共有フォルダはPCManFM(Lubuntuのファイルマネージャ)から自動的に見える。

>ファイルマネージャ - 移動 - ネットワーク
>キーリング: Lubuntuのパスワードを入力
共有フォルダのパスワード入力ダイアログでは、共有フォルダ側PCのユーザー名/パスワードを入力する。

>目的の共有フォルダに入り、ファイルマネージャ - ブックマーク - ブックマークへ追加
ファイルマネージャ左側の移動先メニューに登録される(ショートカット)。

ファイルは smb://foldername/filename.ext の形で見える。
この形だとアプリによってはD&Dしたとき「ファイルが開けません」的なエラーが出る。

■Windows7の共有フォルダをLubuntuの特定フォルダへマウントする
Windows7の共有フォルダがLubuntuのローカルフォルダのように扱える。

マウント:
>sudo mount -t cifs //192.168.0.nn/myfolder /mnt/mywinpc/myfolder -o uid=1000,gid=1000,username=winpcusername,password=winpcuserpswd (←ここまで1行で入力)

usernameとpasswordにはWindows7(共有フォルダ)のユーザー名とログインパスワードを記述する。

アンマウント:
>sudo umount /mnt/mywinpc/myfolder

ファイルは /mnt/foldername/filename.ext の形で見える。この形ならアプリにD&Dしても通常通り開ける。
ログアウトするとマウントは解除される。ログインする度にマウントする必要がある。
面倒くさいので /etc/fstab に設定を記述して、Lubuntu起動時に自動的にマウントされるようにする。

>//192.168.0.nn/myfolder /mnt/mywinpc/myfolder cifs username=winpcusername,password=winpcuserpswd,uid=1000,gid=1000 0 0 (←ここまで1行で入力)

注意:
自動マウントにした場合、Lubuntu起動時に次のようなエラーメッセージがズラッと表示される。
>CIFS VFS: Error connecting to socket. Aborting operation
>CIFS VFS: cifs_mount failed w/return 〜
これは、ネットワークが確立する前に起動処理が進んでしまうため。このとき接続処理は数回リトライされ、PCは通常通り起動する。※NASの接続でも同じ問題が発生しているようだ。このエラー表示は気にしないことにする。

■Lubuntuの共有フォルダへWindows7からアクセスする
sambaを入れる。
Lubuntu上に、共有(公開)するフォルダを作る。

>ファイルマネージャ - システムツール - Samba - [+]で目的のフォルダを指定する

■リモートデスクトップ:LubuntuのRemmina(RDPビューア)からWindows7をリモート操作する
Windows7/Proの準備:
1. IPアドレスが固定されていること。
2. マイコンピュータを右クリック - プロパティ - リモートの設定 -
 リモートデスクトップ欄の「リモートデスクトップを実行しているコンピュータからの〜」を選択する。
3. LubuntuでRemminaを起動し、RDPモードでWindows7へ接続する。

>ファイルマネージャ - インターネット - Remmina - [+]で新規追加設定
名前: 接続先PC名など適当に

基本設定タブ
サーバー: 192.168.0.mm(WindowsPCのIPアドレス)
ユーザー名: WindowsPCのユーザー名
パスワード: WindowsPCのログインパスワード

Windows7/Homeの場合:
「Concurrent RDP Patcher」で検索。

■リモートデスクトップ:Windows7のUltraVNCビューアからLubuntuをリモート操作する
Lubuntuの準備:
1. IPアドレスが固定されていること。
2. X11VNC(VNCサーバー)を入れる。
3. Windows7でUltraVNCを起動し、Lubuntuへ接続する。

>ファイルマネージャ - インターネット - X11VNC Server - OK
Accept Connections, Shared, SolidBackgroundColor にチェックを入れる。
Passwordを設定すると、外部PCからの接続時にパスワード入力ダイアログが表示されるようになる。

X11VNC起動時に読み込ませる設定ファイルを作成する
>x11vnc -storepasswd ←パスワードを聞かれるので入力する。
/home/(name)/.vnc/passwd というファイルが保存される(隠し属性)。内容は気にしなくてよい。

>ファイルマネージャ - インターネット - X11VNC Server を起動する。
>タスクバーのアイコンを右クリック - Propaties - 各項目を操作し、設定を決める -
 Actions - Settings - save-setting を確定すると、
/home/(name)/.x11vncrc という設定ファイルが保存される(隠し属性)。

.x11vncrcを編集する。
-forever …VNCビューワーからの接続が終了しても、X11VNCが終了しないようにする。
-gui tray …X11VNC起動時にタスクバーにアイコンを表示する。動作中は色が変わるので目印になる。
-rfbauth /home/(name)/.vnc/passwd …作成したパスワードファイルを指定する。
この他、上記GUI(Propaties)で設定した内容が反映されている。

ところがこの設定ファイルは、ファイルマネージャからX11VNCを起動したときは読み込まれない。
コンソールから >x11vnc で起動した場合は読み込まれる。

ファイルマネージャ - インターネット - X11VNC Server が指すショートカット先は下記の通り。
/usr/share/applications/x11vnc.desktop
このファイルに起動オプションが記述されている。オリジナルの記述は下記の通り。
>x11vnc -gui tray=setpass -rfbport PROMPT -bg -o %%HOME/.x11vnc.log.%%VNCDISPLAY
これのオプション記述を全て削除し、「x11vnc」だけに書き換えると、ファイルマネージャからX11VNCを起動したときに /home/(name)/.x11vncrc を読み込むようになる(期待する動作)。

X11VNCの詳細について
http://www.karlrunge.com/x11vnc/ ←ここのFAQページを参考にする。

■XRandRで仮想画面のサイズを定義する
EeePC901の解像度は1024x600。

1024x768の仮想画面を定義し、マウスが画面上下端に来たら自動的に縦スクロールするようにできる。
※EeePC901でWindowsXPを起動したときに組み込まれている機能。Lubuntuでも同じことができる。
>xrandr --output LVDS1 --fb 1024x768 --panning 1024x768 --scale 1x1

1024x768の仮想画面を定義し、1024x600に押しつぶして表示させることができる。
※下記について、コンソール入力なら「--panning 1024x768」でよいが、シェルスクリプトで実行すると不完全な画面切り替えになる。
 画面をパンしない値「0」を使い「--panning 0x768」と指定すると、シェルスクリプトでの実行でも正常に切り替わる。

>xrandr --output LVDS1 --fb 1024x768 --panning 0x600 --scale 1x1.28

1920x1080の外部PCからLubuntu側へリモートでアクセスしてくるとする。
Lubuntu側で1920x1080の仮想画面を定義すれば、外部PCから見てフルスクリーンで利用することができる。
>xrandr --output LVDS1 --fb 1920x1080 --panning 1920x1080 --scale 1x1

デフォルトに戻す
>xrandr --output LVDS1 --fb 1024x600 --panning 1024x600 --scale 1x1

バックアップ
EeePC本体からSDカードを取り出し、メモリーリーダーを使ってUSBメモリとして扱い、Windows7上のバックアップツールでイメージバックアップを取る。ただし、システムバックアップしようとしてもWindows7からext4は見えないので、SectorBySectorでパーティションのバックアップを取る。

ブート領域を修復する方法
Windowsとのマルチブート設定をいじったりバックアップイメージを書き戻したときに問題が発生し、Lubuntuが起動しなくなることもあるだろう。そのときはBootRepairを利用する。近々、UbuntuのOSイメージ(iso)に含まれるようなので、14.04LTSより後のバージョンでは以下の操作は不要かもしれない。

方法1
問題のPCを、Lubuntu(Ubuntu)のインストールディスクから起動する。ただし、インストールしないモードで。
SynapticパッケージマネージャでBoot-Repairを検索しても出てこない。
下記URLの解説に従い、手動でパッケージ登録/インストールする。
https://help.ubuntu.com/community/Boot-Repair

>sudo add-apt-repository ppa:yannubuntu/boot-repair
>sudo sed 's/trusty/saucy/g' -i /etc/apt/sources.list.d/yannubuntu-boot-repair-trusty.list
>sudo apt-get update
>sudo apt-get install -y boot-repair

メニュー項目は登録されている。Lubuntuでは下記の場所。
>スタートメニュー - システムツール - Boot Repair

方法2
BootRepairがインストール済みのLiveCDが用意されている。
これをCDに焼き(またはブータブルUSBメモリを作成)、それを使って問題のPCを立ち上げれば話は早い。
http://sourceforge.jp/projects/sfnet_boot-repair-cd/


◆ ◆ ◆
Lubuntuは容量を食わず、動作も軽快で、ネットブック向けに最適だと思う。


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