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雪ミク2012年版 VUメーター組み込み

2012年11月
「ねんどろいど 雪ミク ふわふわコートVer.」(雪ミク2012年版)にVUメーター(レベルメーター)を組み込みました。音楽に合わせてLEDのメーターが点灯。このフィギュアにお似合いの装飾だと思います。[写真拡大

【シリーズ記事】
雪ミク2012年版 フルカラーLED化 …台座の白色LEDをフルカラーLEDに交換します。
雪ミク2012年版 電池2本化 …電池2本でも動作するようにします。
雪ミク2012年版 VUメーター組み込み …この記事です。


動画で紹介
無音動画です。
前半:PCで音楽を再生。VUメーターが動作する様子。
中程:「フルカラーLED化」も同時に動作させた様子。
後半:透明ミクのオブジェに取り替え。暗い部屋にて。

YouTubeの再生ページ直接はこちら。

VUメーターを分割する
LM3916を使ったシンプルなVUメーター(レベルメーター)を作ります。音を聴くわけではないので音質にこだわった部品選びではなく、安価な汎用部品を使います。使い勝手を考えると、VUメーター全体を雪ミクのステージ(台座)に内蔵するより、適当に分割して一部を外に出した方がよいと思います。

VUメーターの回路図

ブレッドボードで動作確認(1ch)。

LM3916, LM358(OPアンプ)とも電源電圧3〜24Vで動作します。USB給電(5V)、006P角形電池(9V)、PC電源(12V)など自由に使えます。乾電池は使用中に電圧が下がるので、2本(3V)だとすぐに動作が不安定になります。単3形、単4形など乾電池を使う場合は3本(4.5V)以上にしてください。充電池も同様です(1本1.2V、3本で4.2V)。

LM3916は左右チャンネルでLEDを計20個点灯させます。1個あたり10mAだと計200mAもの電流を食い、電池駆動ではすぐに電池切れになります。1個あたり5mA程度まで落として電池の節約を検討してください。電源に電池を使わないなら消費電流はあまり気にしなくてよいです。

バーLEDの配置について
バーLEDは台座内の任意の位置に設置できるとよいです。電池ボックス周辺はスペースが狭く、設置は難しくなりますが、なるべく小さく作ることで対応します。VUメーターの回路をどこで分割するかがポイントになります。

【分割案1】
バーLEDだけ分割すれば狭い場所に設置するのに有利です。この場合、ICとLEDを引き離すことになりますが、台座内なら配線長10cmの制限は守れます。※LM3916の仕様。正確には配線長6インチ以内なら電解コンデンサが不要ということ。
ただし配線はLED10本+電源1本=11本にもなるので、かさばり、取り回しに苦労しそうです。

【分割案2】
IC+LEDでモジュール化すると配線は3本で済みます。その代わりバーLED単独より大きくなるので、狭い場所への設置は少し妥協することになります。

ここでは「分割案2」を採択します。

ボリュームとヘッドホンジャック
ボリュームの軸の太さは6mmです。台座に大穴を開けたくないので外に出します。L,R,GNDの3線を台座の電池ボックス部から引き込みます。
音声入力部分は、回路図ではヘッドホンジャックです。音楽プレイヤーのヘッドホン出力端子と、オス-オスのケーブルで繋ぎます。また、ヘッドホンジャックはボリューム同様、台座の外へ出すことになります。それならいっそ、ヘッドホンジャックではなくピンプラグのケーブルを直付けにした方がよい気もします。今回の改造ではそのようにしました。

接続コネクタ
雪ミク2012年版 電池2本化」の改造をし、電池ボックス内に電池1本分の空きを作ります。そこにコネクタを内蔵します。このコネクタを通じ、音声信号と電源を供給します。

電源
台座内に乾電池(3V→5V昇圧)があり、白色LED 3個を点灯させています。しかしこれにVUメーターを加えることはできません。安定して動作させるには容量が足りないのです。よって、電源は別途用意することになります。
5V/数百mAを安定して取り出せる小型の電池があれば台座に内蔵することも考えられますが、入手性や価格を考えると難しそうなので、ACアダプタ(5V)、USB給電(5V)、006P電池(9V)などで外部から供給します。

バーLEDモジュール
モジュールの配線図
無理してでもモジュールを小さく作ろうとするとアクロバティックな配線になります。
基板の両面を使い、LM3916とバーLEDを直結する形にします。そこに、LEDの輝度を決める抵抗も乗せます。
ケーブルはVCC,GND,Signalの3線だけで、長さは任意です。
※電源線と信号線は10cm(6インチ)の制限と関係ない。

作り方
同じモジュールを2組作ります。作成手順を間違えないよう、メモ代わりに写真を掲載します。

青い数字…ピン番号。
…基板オモテ面と向きを表す。
…基板ウラ面と向きを表す。
バーLEDのアノード側1列を一続きに根元で配線します。
ICと接続するピン(1,6)は外に曲げます。他のピンは根元から切ります。
カソード側1列は何もしません。

LEDが10個とも点灯するか(ハンダ不良がないか)、この時点で確認すること。
基板のオモテからICを挿し、ハンダ付けします。GNDラインに出すピン(2,4,8)は曲げておきます。

位置合わせを間違えないよう、注意すること。
基板のウラからLEDを挿します。
ICとの位置合わせを確認します。
LEDが基板から浮いてないか確認します。
基板オモテ面で、LEDとICをハンダ付けします。LEDの足を曲げ、短く切り、ICの足に直接ハンダ付けします。
LEDの1個はスズメッキ線でICの1番ピン脇まで延長し、基板ウラ面でICにハンダ付けします。
基板ウラ面で、LEDの曲げておいたピン(1,6)とICをハンダ付けします。
抵抗の足を巧みに曲げ、基板オモテ面でICの7,8番ピンにハンダ付けします。
同時に、9番ピンの穴から基板ウラ面へ長いままの足を出し、ICの1番ピンへ向かって曲げます。これがGNDラインです。
ICの曲げておいたピン(2,4,8)をGNDラインにハンダ付けします。
基板オモテ面でICの3,4,5番ピン(VCC,GND,Signal)に被服線を直接ハンダ付けします。そして瞬間接着剤で基板に固定します。

基板の角を斜めに切り落とし、狭い場所への設置に有利なよう細工します。
これで完成です。

アンプ部
配線図


OPアンプにLM358を使った増幅回路です。電解コンデンサの高さは基板の厚みと合わせて12mmくらいになります。台座に内蔵するにはギリギリなので、できれば電解コンデンサは倒して実装した方がよいです。
入出力部分を被服線直付けにするかコネクタにするかはお好みで。コネクタはオス・メス結合時の高さに注意。

2連ボリュームの抵抗2系統には誤差があります。そのため、入力した音声信号に対するLEDの反応が左右チャンネルで微妙に異なります。ある程度は仕様として割り切ってください。OPアンプの増幅率を左右チャンネルそれぞれで調整すれば、違和感が軽減されます。※動作を見ながら左右チャンネルそれぞれで抵抗値の組み合わせを変える。試行錯誤。
2連ボリュームをやめて左右チャンネルそれぞれにボリューム(半固定抵抗でも)を取り付ける方法もあります。

ボリュームとコネクタ
ボリュームと電源線
ボリュームと電源コネクタはペットボトルのキャップに収めました。USBケーブルや006P電池をつなぎます。

音声信号と電源の計4線は2x3のピンヘッダに配線しています。これを台座に差し込みます。

台座側コネクタ
電池ボックスの空き部分に2x3のピンソケットを取り付けます。ウラ面はアンプ部に配線されています。
音声信号と電源のピンヘッダを差し込みます。電池ボックスの高さ(窪みの深さ)に収まっています。
電池ボックスの蓋に小穴を開けてケーブルを出します。

台座側面に穴を開けず、電池ボックスの蓋からケーブルを出すようにしました。このままだとケーブルの太さで台座が持ち上がってしまうので、半球形のゴム足を台座底面に貼ることにします。

完成
完成写真
台座側面にぶつからない位置にバーLEDを両面テープで固定します。
台座を組み立てる前に動作テスト。
中央上部は「電池2本化」の改造で組み込んだ昇圧回路です。
台座を組み立て、ふわふわプレートを被せた状態です。光は十分に透けて見えます。

部品について
数年前までLM3916/15/14は取扱店が少なく、高価で入手しづらいICでした。最近は秋月電子千石電商などメジャー店が安価に扱いだしたので入手性がよくなりました。その他の部品も入手困難なものはありません。

2連ボリュームはAカーブで数十kΩのものを選びます。ここではアルプス電気 RK0971220-F15-C0-A103 を使いました。秋月電子、千石電商で扱っています。
ヘッドホンジャックやコネクタ類は必要に応じて用意します。

バーLEDは10連のものを使います。色はお好みで。
明るさは抵抗R4で決めます。10mA程度で様子を見て、眩しければ値を小さくします。I=12/R (mA) で計算します。
回路図では1kΩですが、実際の工作では3kΩ(4mA)にしました。明るさは、完成写真がそれです。

電解コンデンサC2でLEDの光り方(反応の早さ)を調節します。目安として10uF〜47uF、大きくても100uFまで。
小さい容量だとせわしなく点灯し、シャバシャバした感じに瞬いて見えます。バーの伸び縮みらしさがあまり実感できません。大きな容量になるほど落ち着いた点灯速度になります。大きすぎると音量の変化速度について行けず、バーの伸び縮みはモッタリ鈍く見えます。
正解の容量値というものはありません。実際に点灯させて様子を見ながら好みで決めてください。
耐圧は10V以上なら何でもよいです。

シンプルなVUメーター 部品一覧 (回路図はここをクリック
部品名 部品番号 個数 参考価格/備考
OPアンプ U1 LM358 1 5個100円(秋月電子)
ディスプレイドライバ U2 LM3916 2 1個150円(秋月電子)
2連ボリューム VR A10kΩ 1 180円(秋月電子)
バーLED LED Array 10連 2 1個100〜200円
抵抗 R1,R4 1kΩ [茶黒赤金] 4 1個5円/100個100円
抵抗 R2 100kΩ [茶黒黄金] 2 1個5円/100個100円
抵抗 R3 10kΩ [茶黒橙金] 2 1個5円/100個100円
積層セラミックコンデンサ C1 0.1uF [104] 1 10個100円
電界コンデンサ C2 10uF〜47uF/10V 2 1個20円


◆ ◆ ◆
工作を振り返って。
電池ボックス付近の狭い場所にバーLEDを設置するのに苦労しました。本当は台座雪模様の横、正面向きにLEDを設置するつもりでした。
LM3916でメーターを左右対称にする場合、片方を反転設置しなければならないことがネックです。小型モジュール化してもなお大きさ(形)が問題となりました。左右でバーLEDの高さを揃えるためには上下に余白が必要となり、それが台座の高さに収まらず、結局正面向きに設置できませんでした。
電源は誤算でした。まさか006Pが台座に収まらない厚さだったとは…。代わりとなる、小型で大容量で安価で入手性のよい電池が見つからなかったので、開き直って多種電源対応の外部供給としました。もし電池内蔵が可能だったら、音声ケーブル差し込みで電源オンとなる小細工も考えてありました。コネクタが6ピンなのはそのためです。


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